私たちの故郷は福井県で、ふたり共が同じ嶺北地方で生まれ育ちました。
私は日本海の近く、そして田園の広がる町で高校までを過ごしました。
今、まほろばを通して表現している音楽世界の中には、
少なからず自分の「郷愁の念」のようなものも含まれていると思っています。
あぜ道を歩いている記憶や、
雪が降る朝にバスを待っている記憶、
下校途中にある神社で遊んでいる記憶、
景色は様々ですが
その全てに共通しているのは「どことなく寂しい」という感情。
その当時、寂しい思いをしていたのか
今、思い出すから寂しいと感じるのか
ハッキリとは分かりませんが、
とにかく「ふるさとの風景」と言うよりも、
その「寂しい」という感情の欠片が、自分の作る音楽の中に必ず混ぜ込まれてしまうように感じます。
自分から望んで東京に出て、
故郷を思って曲を作るというのもおかしな話ですが、
故郷を離れて生活しているからこそ、音楽を作り続けられているのだと感じます。
東京という街に住んでいると、常に自分を試されているように感じる、
というのはきっと私だけではないと思いますが、
その試練に何とか立ち向かっている中で
自分の潜在能力のようなものがいつの間にか引き出され
また「少しだけ新しい」自分と出会える。
ただその繰り返しを、
私も今、東京で続けているのだと思います。
冬が近づくことで、雪国でもある福井への「郷愁の念」が強くなってきたのか、
最近やけに頭をめぐる「ふるさと」への想いについて書いてみました。
今回もご清覧、有難う御座いました。
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