「小学生になったら太鼓を始める。」
両親は太鼓教室の先生でした。
姉も太鼓を習い、自然と家族共通の話題は太鼓。
両親の太鼓の稽古についていき、
演奏についていき、祭りにもよく参加しました。
自然と太鼓に触れる機会が多く、
気付けば太鼓が好きになっていました。
小学生の頃は、
「友達と遊びたいのに今日も太鼓か…」なんて思う事もありましたが。
今思えば、本当に恵まれた環境でした。
太鼓をはじめた当初は、ゲームのように課題をクリアしていくことに夢中になるばかりでした。
しかし、とある大切な行事に子供太鼓での出演が決まり、
いつもは楽しいお稽古が、とても厳しいものになった事がありました。
子供ながらに 「楽しくした方がいいのに」と思っていましたが、
その厳しい稽古の理由は、出演が終わった時の拍手により気付かされることになります。
より良い演奏をするために、 1つの目標に向かい、ただひたすらに腕を磨く。
それが厳しいものだとしても、それを越えた時にしか感じる事ができない感情があると。
ずばり、皆さんも感じた事がある
成果を挙げた時の喜び、緊張からの解放、「達成感」というものでした。
でもその頃の僕にとってそれは、より特別な何か魔法のようなものに感じました。
この時のことは、今でもよく覚えています。
何故なら、「もう太鼓を辞めようかな」(早すぎる!)
と思っていた時に起きた出来事だったのです。
(辞めようと考えていたのは、この頃の一度だけ。)
以後、さらに稽古に身が入るようになり、
技術を向上させること、作曲をすることなどの楽しみを知り、
無事に (?) 辞めることなく、
この時の出来事がきっかけで、太鼓の世界へと深く入っていくことになりました。
幼い頃から、太鼓はとても身近な存在でした。
話しを聞いてくれる友人のようで、
僕の想いを受け止め、共に伝えてくれる相棒のようでした。
いつしか、学びを与えてくれる家族のようになり、
人生の困難に希望を与えてくれる、生きる支えになりました。
太鼓よ、
今後とも、末永くお付き合いのほど宜しくお願い致します。
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