名もなき記憶の水面を揺らし、私は私の”源”へと還る。
それは誰に触れられることもなく、ひっそりと守りぬいてきた「本当の私」。
人は生きるという試練の中で、他人から、そして自分自身から存在を否定され、心の行き場をなくしてゆく。
行き場をなくした心は居場所を求め、記憶の奥深くへと潜ってゆく。
その源で待っていたのは生まれたばかりの無垢な「私」。
自分すら持たず、そこにあるだけで肯定されるべき「ひとつの命」。
「否定される私」とは、いつしか私自身が生み出していた虚像である。
私は自身の真の姿に触れることで、また「生き続ける力」を手にする事ができる。
私は私の “源” へと還る。